
2025.11.4
R7BYは日本酒業界の分岐点になる?
時は既に11月。
多くの酒蔵は新酒の醸造シーズンに突入している。
「今年も新酒のシーズン。楽しみ」
という人は多いと思うが、諸手を挙げて喜べる状況ではないかも。
何故なら、今年はコメ不足による米の価格の高騰があった。
それが酒米にも大きな影響を与えているからだ。
私がトータルアドバイザーを務めている小町酒造の蔵元曰く、
「米の単価が去年の1.7倍になっている」とのこと。
想像でき得る例えで示すと、
90ml500円の酒が
90ml850円になったということだ。
この値上がりを見て、一般的な感覚の人は
「高い!」という感想を持つことだろう。
実際には小売単価3,000円の酒が5,100円になることはないが。
値上げせざるを得ない状況に陥っていることは理解できると思う。
ヒアリングした感じでは、低いところで7%程度。
平均すると15%~20%の値上げ率になる模様。
となると、
今でも四合瓶サイズで2,000円を超えるものが増えているが、
R7BYはこれが平均になってくる可能性が高い。
つまり一升瓶で4,000円を超える。
普通の飲食店は日本酒が更に扱いにくくなるわけだ。
ドリンクで利益を確保する店舗は尚更。
何故なら、アルコールという大カテゴリーで見ると、
日本酒はニッチな飲み物であり、熱狂的なファンが一部存在するものの
店側からすると利益の大半を占めることはなく、
そこに注力する理由は相当薄いと言える。
つまりは、扱わなくても大した問題にはならず、
注文が少ないものに対してコストや管理場所を割く必要はない。
残念ながら、これが一般的な飲食店から見た現実に思える。
では、日本酒という中カテゴリーで見た場合はどうか。
今までは純米酒をベースで動いていた市場だが、
純米酒の価格は軒並み上がることが予想されるので、
それを維持するのは一部の酒蔵を除いて困難になる可能性がある。
しかし、それではジリ貧になる。
つまり、この状況下で考えられるのは、
1.アル添酒(特に普通酒)が脚光を浴びる
2.精米歩合を落として対応する(60%の場合→70%)
3.大手の純米酒が市場を席巻する
いずれにしても、
一升瓶でのベースが、出来れば税込3,300円まで。
それを超えたとしても3,500円までが理想。
※四合瓶の場合1,650円~1,800円くらい
そう考えると、大手の地酒蔵が圧倒的優位になるかも。
例えば、高知の銘酒“土佐鶴”は四合瓶の純米酒で税込1,000円程度。
味は特別なものはないが、日本酒としての体は為している。
食事と合わせる分には何の問題もない。
結論として、R7BY(2026年)は、
地酒蔵は生き残りを賭けた戦いになる(可能性が高い)
実際、多くの酒蔵は閉業したり、資本が入ったりしているのが現状としてあるし。
地元で愛されているからと言って、油断は出来ない状況だと思う。
愛LOVE日本酒として出来ることは正直何もないが…(笑)
せめて、小町酒造には勝ち残ってもらえるようアドバイスをする。
蔵元が耳を貸さない場合は、それはそのときで。
愛LOVE日本酒
大宮賢悟


